▽お花見の歴史

○平安時代〜鎌倉時代
奈良時代から庭に植えられ始めた桜は、平安時代になると貴族達の間で桜を邸内に植えるのが流行りはじめ、その代表が有名な『左近の桜』といわれています。当時は柳の木と混ぜて植えるのが好まれ、白と緑の色鮮やかさが楽しまれました。その後、桜を庭樹にする事はますます盛んになり、鎌倉時代には後嵯峨上皇が桂離宮亀山殿の背後にあたる嵐山に、吉野の山桜を多数移植して花見を楽しまれた事は有名です。

○室町時代〜安土桃山時代
室町時代に入ると、世に『花の御所』と呼ばれる多くの花木を植えた室町殿が足利氏の手により完成し、この頃より春の桜狩りは、秋の紅葉狩りと並ぶ日本独特の行楽行事となり、足利義政などが京都東山や大原野(旧長岡京近く)に豪華な花見を行うようになります。そして、動乱の戦国時代を経て、安土・桃山時代に豊臣秀吉が大規模な『醍醐の花見』を行った事は、あまりにも有名です。

○江戸時代〜近年
江戸時代に入ると、一般庶民の間にも花見が盛んになり、多くの名所が誕生しました。なかでも御室(仁和寺で有名)や嵐山、東山方面に多くの人々が花見に出かけて行きました。そしてこれらの名所は、今なお多くの人々に愛されています。また近年に入ると京都の都市整備が進み、多くの桜が洛中洛外に移植され、まさしく京都は『花の都』となってゆきました。
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